【量子力学】コラム・第二量子化とは

2019年6月12日

詳しくは述べませんが、第二量子化とはなにか、第二ってことは、じゃぁ第一量子化とはなにか、という疑問について答えます。

まず、量子力学を最初にならうとき、シュレディンガー方程式を習いますが、その時点で、そのことがまず第一に、第一量子化なのです。量子力学の幕開けは第一量子化です。うーん、え?

シュレディンガー方程式を導くときに、解析力学(古典)のハミルトニアン形式で、\( x \to x \) 、\( p \to -i\hbar \frac{\partial}{\partial x} \) の置き換えを行いましたが、そのような処方で得たシュレディンガー方程式を用い、解となる波動関数を用いて議論することを第一量子化といいます。

シュレディンガー方程式を解くと、例えば水素原子の問題でもエネルギーの値がとびとびになったように、エネルギー量子や状態が(量子化された)とびとびの状態であるという結果が得られたので、これが量子力学の初歩のことですが、このことを、第一量子化と呼ぶのです。とびとびのものが現れた、ということは、文字通りこれは量子化と呼んでいいと。

これに対して、第二量子化は、量子力学が進展していったところで現れた、波動方程式の表す古典的な波動の場を粒子としてとらえることができたという結果です。下線部のことをつまり量子化と言っているわけです。ここでも、波動から粒子性が出てきた、ということで、これも量子化という言葉が合うでしょう、つまり量子化。

第二量子化は場の量子化とも言います。場の量子化を扱うのは場の量子論です。

場の量子論の「場」は、一般的な場ですが、実際に扱う場は、つまりは波動関数のことです。あるいは、波動関数の表す場です。例えば、シュレディンガー方程式から得られる波動関数の表す場は、シュレディンガー場です。といった具合です。

シュレディンガー方程式とはそもそも、非相対論的に考えた場合の粒子の方程式ですが、素粒子の現象は通常高速で起こるため、一般論を論じるならば相対論的に考えなければなりません。そこで相対論的な粒子の方程式、クラインゴルドン方程式(スピン0の粒子用)や、Dirac 方程式(スピン1/2の粒子用) があって、それらの表す場はそれぞれ、クラインゴルドン場、Dirac 場、といいます。場の量子論で扱う場といっても、もう大体こんなもんです。あとは、これらの方程式内のポテンシャルの形を変えていけば、相対論的な電子(電子と電磁場の相互作用)、クォーク(強い力の場)、レプトン(弱い力の場)、を扱うことができるといった具合です。おまけとして言えば、電磁場を考える場合、ベクトルポテンシャル \( A^\mu \) が光子の波動関数を意味します。電磁場は例えば \( A^\mu = N\varepsilon^\mu e^{-ik\cdot x} \) のように表されます。

上の説明の具体的な内容はどうでもいいのですが、つまり場とは波動関数です。

場の量子論では解析力学の手法を用います。そこで、波動関数 \( \phi \) を解析力学の正準変数として扱い(※)、第一量子化の際に \( x \to \hat{x} \) としたように、\( \phi \to \hat{\phi} \) として \( \phi \) を演算子に格上げし、交換関係を定める…というような場の量子論の議論を進めると、そこで現れてくる \( a \), \( a^\dagger \) を、調和振動子のところで出てきた昇降演算子のようなもの、つまり”粒子の”生成消滅演算子として解釈することができるという結論になります。この議論では、\( \hat{N} = \int \hat{\psi}^\dagger \hat{\psi} \ d^3x \) は粒子の個数演算子を表すし、 \( \hat{a}^\dagger(k_1)\hat{a}^\dagger(k_2)|0> \) は、運動量 \( k_1 \) の量子1つと運動量 \( k_2 \) の量子1つの計2つの粒子が存在する状態 \( | k_1, k_2> \)を表します。そしてこれらのことは、粒子の波動解釈の中にさらに粒子性を見出すことができたことを表しているのです。おおざっぱに言えば、波の振幅は粒子数を表すことにもなります。まり、以上のことはどうでもいいとしても、このようにして、(波動関数の表す)古典的としての場が粒子性を含むことが示され、さらに場を粒子として扱う手法も得ることができた、このことを、最初の第一の量子化と区別して、第二量子化、と呼んでいるのです。

第二量子化の説明は以上のようになります。

※波動関数を正準変数として扱うとはどういうことかごく簡単にいうと、

例えばシュレディンガー方程式の場合を考えます。場の量子論では通常の解析力学のラグランジアンに当たるものとして、ラグランジアン密度を扱います。

場の量子論で解析力学を使うとはどういうことかというと、通常の解析力学では、ラグランジアンを作ってオイラーラグランジュの方程式を解くと、運動方程式が得られますが、ここではオイラーラグランジュ方程式を解くと、波動方程式が得られるということなのです。ただし、この際ラグランジアン密度は系の性質によって決まるラグランジアン密度をあらかじめの作ることができる、というのでなく、ラグランジアン密度を使ってオイラーラグランジュ方程式を解くわけですが、オイラーラグランジュ方程式を解くと波動方程式が得られるというような、そのようなラグランジアン密度を波動方程式ごとに作っていく、というようなことをします。そして、そのラグランジアン密度を用いて、ハミルトニアンを求め、そういうものを使って論を展開していくわけです。

波動関数は \( \psi(x) \) ですが、これを正準変数とした上で作ったラグランジアン密度、

ラグランジアン密度:\( \mathcal{L}[x] = i\hbar \psi^\dagger(x) \partial_t \psi(x) – \frac{\hbar^2}{2m} \partial_i \psi^\dagger(x) \partial_i \psi(x) \)

(注!ただし、\( \partial_t = \partial/\partial t , \ \partial_i = \partial/\partial x_i \ (i = 1, 2, 3) \) ですが、なお \( \partial_t \psi(x) \) や \( \partial_i \psi(x) \) は一つの変数を表します、つまり、解析力学での独立変数、\( \dot{x}\) のようなものにあたります。)

を用いて、正準変数 \( \psi^\dagger \)、\(\partial_t \psi^\dagger \)、\(\partial_i \psi^\dagger \) にたいして解析力学のオイラーラグランジュ方程式を解くと、

シュレディンガーの波動方程式:

\( i\hbar \partial_t \psi(x) + (\hbar^2/2m) \nabla^2\psi(x) = 0 \)

が得られる、ということです。

このラグランジアンは、オイラーラグランジュ方程式を解くことによって「うまくシュレディンガー方程式を得られる」ように、作るというようなものです。

電磁場の場合も可能です。\( \mathcal{L}[x]= – \frac{1}{8\pi} ( \mathbf{E}^2(x)-\mathbf{H}^2(x) ) – \frac{1}{4\pi} \mathbf{E}(x) \cdot (\nabla \phi(x) + \frac{1}{c} \partial_t \mathbf{A}(x) ) – \frac{1}{4\pi} \mathbf{H}(x)\cdot \nabla \times \mathbf{A}(x) \)

正準変数を \( E_i(x) \), \( H_i(x) \), \(A_i(x) \), \( \phi(x) \) として、オイラーラグランジュの方程式を解くと、マクスウェルの方程式が得られます。

場の量子論とは、そういったちょーおもしろい理論なのです!

 

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第一量子化:粒子を波動のように扱うと、エネルギーや状態の離散化が現れた。

第二量子化:粒子を波動のように扱った、その波動方程式を調べたら、波動の中にさらにまた粒子性が見つかった。