【力学】力学で、加加速度以上を考えなくてもいいわけ

2019年2月15日

\( v=\large\frac{dx}{dt} \) = 速度

\( a= \large\frac{dx^2}{dt^2} \) = 加速度

\( \frac{dx^3}{dt^3} \)、\( \frac{dx^4}{dt^4} \) …

と、(座標xの)微分の階数を増やせば、加加速度、加加加速度… といくらでも定義できますが、物理学では、\( \large\frac{dx^2}{dt^2} \) まで、つまり、2階まで考えればそれでいいのはなぜでしょうか。

そもそも、力学とは何でしょう。それは、物体同士の力の及ぼしあいによって、運動がどうなるかを記述するものです。そして、このことを達成するには、2階=加速度まで考えれば十分、3階以上は必要ないからなのです。

力学の発展に大いに貢献した重力による物体の落下運動は、等加速度運動だから、この運動を考えるときは3階以上を考える必要がありません。

また、物を押す場面を考えた場合、押す力が一定なら等加速度運動ですが、力を徐々に増やしていく場合のように力の大きさが変化する場合には、加加速度が生じます。しかしそれは、ただ加加速度というものが運動の結果に登場してくるだけで、物体と物体の相互作用においては加加速度が意味を持ってくるというわけではありません。

例えばばねの問題では、ばねは伸びの長さにより力が変化する(F=kx)ので、ばねにつながれたおもりの運動には、加加速度が現れることになりますが、運動の描写で大事になってくるのはやはり、位置、速度、加速度で、加加速度が問題になってくることはありません。

入試でも力学的に意味のない加加速度以上を扱うことはまずないといっていいでしょう。(“万が一”入試で出たらごめんなさい!でもその場合でも、加加速度が教科書に載ってない限りは、必ず、加加速度に関する説明が問題文に述べられ、与えられた情報の範囲で答えられる問題しか出題されません。入試とはそういうもの。)

力学の基礎は \( F=m\large\frac{dx^2}{dt^2} \) で、それ以降、加加速度以上が登場することはないので、安心していいです。

特殊な力学のブランチのことは知りませんが、通常、力学と言ったら加速度までを考えれば足りる範囲で閉じられた体系なのです。

 

ですが、加加速度は躍度といって、これを扱う一定の専門分野が存在します。